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2017年8月18日 (金)

米国には武士道が必要だ 

 下記は、2017.8.18 付の【産経抄】です。
                        記
 東京都世田谷区の住宅街にある日本基督教団駒場エデン教会は、古武道の道場も兼ねている。今月15日に84歳で亡くなった笹森建美(たけみ)さんは、牧師にして「小野派一刀流」第17代宗家でもあった。
 ▼最初の一太刀で相手を倒す一刀流の創始者は、戦国時代の剣豪、伊藤一刀斎である。2代目の小野次郎右衛門忠明は、徳川2代将軍秀忠の剣術指南役を務めた。やがて小野派一刀流は津軽藩に伝わり、明治時代になって笹森さんの父が16代目を継いだ。津軽藩の藩士だった笹森さんの祖父が改宗して以来、笹森家は3代にわたるクリスチャン家系でもある。
 ▼聖書に親しみながら、一刀流の稽古に励むのが、当たり前の環境で育った。牧師になるために米国の大学に留学中には、武勇伝も残している。アメリカンフットボールの選手の男が挑発してくるので相手をすることになった。笹森さんは、自分の倍はありそうな巨漢を一瞬にひっくり返した。小野派一刀流には、剣術だけでなく体術も伝承されている。

 ▼「武の道とキリスト教は矛盾しませんか」。笹森さんは何度も同じ質問を受けてきた。「どちらも人の死に方、生き方を真剣に問う『道』です」。著書の『武士道とキリスト教』(新潮新書)のなかで答えている。
 ▼明治期に入ってきたキリスト教を率先して受容したのは旧武士階級だった。その一人である新渡戸稲造が英文で発表した『武士道』は、欧米でベストセラーとなった。「最も剛毅なる者は最も柔和なる者である」。新渡戸は武士道の徳目の一つとして、「仁(惻隠(そくいん)の心)」を挙げている。
 ▼米国南部の町で白人至上主義団体と反対派が激突した事件は、波紋を広げている。憎悪が渦巻く今の米国にこそ、武士道が必要ではないか。
 

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